体全体に鮮やかな紅色をまとう「ベニズワイガニ」。カゴで捕獲され、水揚げのピークは12月から1月で、現在は資源保護の目的で6~8月は禁漁期間。それ以外の時期でも9cm以下のオスとすべてのメスは漁獲できない決まりがある。おいしいのは何といっても味噌と呼ばれるすい臓部分。とろり濃厚な甘さと旨みがたまらない。鮮度に左右されるため茹でたてを食したい。県内の一部の小学校では、給食にひとり1杯ずつ提供されることがあるほど安価で身近なカニだ。深海に生息するためその生態はまだ解明されておらず、目下研究中である。
ズワイガニと紅ズワイガニ
日本海の水深200~400メートルの大陸棚に分布する”ズワイガニ”。高級カニの一種で人気が高いカニだ。オスは甲羅が15センチ以上に成長し、たっぷりの身が楽しめる。メスの大きさはその半分ほどと小振りだが、外子や内子(卵や卵巣)の濃厚な味が楽しめるため人気がある。”紅ズワイガニ”は、ズワイガニより深い水深400~1200メートルに生息する。身に水分が多く、味がさっぱりとしているため、大味ともいわれるが、「身が詰まった紅ズワイガニは、ズワイガニよりもおいしい」と好んで食べる人もいるようだ。
旬 11月 12月 1月 2月 3月
ベニズワイガニは、全身に鮮やかな朱色を帯びており、熱を通すと一層美しく輝き、紅葉のように鮮やかな赤色で秋の到来を告げます。冬の味覚として有名なカニですが、ベニズワイガニは水温がほとんど変化しない深海、水深400から2700メートルに生息しています。この深海域の水温は約0.5から1.0度程度で、水深200から600メートルに生息するズワイガニと比べて、ベニズワイガニの殻は柔らかく、水分が多い特徴があります。この特性は、高水圧の深海域に生息するためと考えられています。
ベニズワイガニは水分が多く、身が柔らかいため、以前はズワイガニの代替品として広く利用されていました。しかし、近年ではその肉厚で身の食感が良く、甲羅の味噌がとろけるように美味しいことから、人気が急上昇しています。